三豊・観音寺市医師会


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■腎臓病と病診連携

現在全国で透析療法をうけられている人は約33万人います。かかる医療費は約2兆円を超えています。透析導入の人数を少しでも減らす努力を国や全国の医師会および腎臓透析学会とも積極的に施行しております。しかし導入の人数は年々増加しております。以前は透析を開始すれば余命は5年ぐらいでしたが最近は透析の技術管理が進歩し、かなり余命が伸びております。

腎臓病は初期には自覚症状はほとんどなく、かなり腎機能が悪化して専門医へ紹介されても透析はまぬがれないということが増えております。透析導入の原因疾患の一位は糖尿病によるものです。2位が慢性糸球体腎炎です。そして3位が腎硬化症です。この腎硬化症というのは高血圧が長期にわたってみられる人に多く、70歳から80歳となってから腎機能が低下してくることで透析導入となっております。つまり、長寿社会となって心臓機能や肺機能はまずまず問題ないが腎機能だけが先に寿命がきてしまったという事です。この腎硬化症は40歳、50歳代より血圧をコントロールしていけば、かなり防ぐことができる疾患と思われます。そこで普段より検尿等で早期に腎臓疾患をみつけ食事療法や薬物療法を開始していただけるよう、かかりつけ医へ定期的に受診していただき、必要でしたら専門医へ紹介していただく病診連携が重要になってくると思われます。

最近ひとつ朗報ともいえる情報がありました。それは、透析導入の人が80歳以上は増えていますが、60歳代70歳代はやや減少してきているという情報です。画期的な腎臓の薬が最近発売されたということはなく、この朗報はおそらく病診連携が全国で少しずつ浸透し、食事指導等の生活習慣の改善や適切な薬物療法の開始が早期に施行されてきた結果ではないかと思われます。やはり地道な努力が必要であると感じております。

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