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健康情報
■「学童期の皮膚感染症」その3
<水痘(みずぼうそう)>
 ヘルペスウイルスの一つ、水痘帯状疱疹ウイルスに感染して起こるものです。
 これは接触感染、飛沫感染、空気感染で感染しますが、主には飛沫感染です。
 約2週間の潜伏期を経て → 初めは虫さされ様の発赤で始まり → かゆみを伴って、数日で周囲に紅暈を伴う水疱を形成 → 痂皮化して終了します。
 水痘疹は体幹部や顔面頭部にあらわれ、やがて全身に広がります。頭髪で覆われた皮膚にも発疹が出るのが特徴です。
 すべての水疱がかさぶたになるまで感染力があります。
 治療は、アシクロビルの内服薬があります。また、発疹にはカチリという軟膏を塗布します。
 接触後72時間以内に水痘ワクチンを接種すると、水痘にかからないか、かかっても軽く済みますが、発症の数日前より感染力があり(最も強いのは発症前1〜2日)、水痘疹が明らかになった時点では72時間を越えていることも多いです。
 ですから、集団生活に入る前から水痘ワクチンを接種しておくことが大切です。三豊・観音寺市では水痘ワクチンへの補助が出ています。
 妊娠中の女性に水痘が感染した時、妊娠中期までの感染では胎児死亡や胎児水痘(奇形症候群の一つ)を発症する可能性があり、また、分娩5日前〜分娩2日後までに母体が感染すると、産まれた子供は致命的な水痘となることがあります。妊婦さんは気をつけなければなりません。

<帯状疱疹>
 原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。
 水痘罹患後、水痘帯状疱疹ウイルスは神経に沿って体の中に潜み、体が弱った時に神経に沿って表面に登って行き、ぶつぶつ、すなわち帯状疱疹を起こします。よく痛みを伴いますが、小児の場合、軽いことが多いです。
 病変部位が服などで覆われているならば登園・登校可能ですが、覆うことが出来ないときは、ぶつぶつがすべてかさぶたになるまで、自宅療養となります。
 治療としては、アシクロビルの内服がありますが。皮膚症状が治っても痛みが続くことがあり、帯状疱疹後神経痛といわれています。帯状疱疹後神経痛は高齢者に多く、小児にはほとんど起こりません。

<単純疱疹>
 単純疱疹ウイルス(単純ヘルペスウイルス)感染症により、口唇疱疹やカポジ水痘様発疹症などが発症します。
 口唇疱疹は、発熱・胃腸障害・疲労・日光照射・寒冷などで誘発され、“風邪の華”とか“ケンビキ”と言われるかもしれません。
 口唇の辺縁(皮膚粘膜移行部)に水泡が出来て、やがて水泡は破れてびらんとなり、かさぶたが出来ます。
 カポジ水痘様発疹症は単純ヘルペスウイルスの初感染により発症します。再発例もあります。熱が出たり、リンパ節が腫れたりするとともに、比較的限局した多発性の小水泡が出現し、その後、播種性に(ばらまいたように)拡大します。水泡はやがてくっつき、一つになりながら不規則なびらん面を作り、3〜4日でかさぶたとなります。
 アトピー性皮膚炎の子供たちは比較的起こしやすいです。

(平成22年6月24日)