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健康情報
■アタマジラミ症


<アタマジラミ症とは>
 アタマジラミの成虫は体長2〜4mmで、人間の頭皮から1日数回、血を吸っています。
 主に、頭の横側や後ろ側の髪の毛に卵を産みつけます。かゆみが出るのは、そのあと1ヶ月も経ってからですので、卵に気づいた時には、すでに感染後数ヶ月経っていることもあります。

<アタマジラミ症の診断>
 アタマジラミの卵は髪の毛にしっかりくっついているので簡単には取れません。指で簡単に取れたり動かせるものは、フケやゴミやhair cast です。

<アタマジラミ症のうつり方>
 頭と頭が長く接触していることによってうつります。
 帽子、鉢巻、タオル、くし、マフラー、寝具などを介してうつることもあります。

<アタマジラミ症の治療法>
 治療には、スミスリン(パウダーやシャンプー)が用いられます。処方箋は発行できないので、薬局で購入することしかできません。また、まめに卵や虫をすきとります。家族は一斉に治療を開始することが必要です。また、身につけるものや寝具などは共有しないようにして、洗濯したり、乾燥機・アイロンなどを使うと虫を駆除できます。

<登園・登校基準>
 頭虱だからといって差別扱いしてはいけません。治療処置を始めさえすれば、園・学校を休む必要はありません。  平成21年4月 日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会より一部改変

<アタマジラミ症の集団発生防止>
 講師の先生から、具体例を紹介していただきました。
 その一つは、ある皮膚科クリニックの方法です。
(1) アタマジラミ症の児が受診すると、その保護者から担任の先生に連絡していただく。
(2) その報告を受けた担任の先生は、アタマジラミ症についての正しい知識をプリントなどで他の保護者に連絡し、すみやかに協力を呼びかける。
(3) それぞれの家庭で、家族の頭髪を観察していただき、アタマジラミの虫体・虫卵を確認。迷うときにはかかりつけの先生に相談する。
 そして、講師の先生がお考えのシステムも示していただきました。それは、上に紹介した、ある皮膚科クリニックの方法に、患児の治癒確認の報告と近隣の園・学校への注意の呼びかけを付け加えるということでした。

<講師の先生からの提案>
 健診に携わる先生方へ、健診の時にはアタマジラミの虫卵が側頭部や後頭部などにみられないかにも注目して頂きたいとのことでした。
 また、園・学校の先生方にも、アタマジラミ症を発症した児がいるときには、他の子供たちに拡大していないかどうかを確認し、疑わしいときには必ずかかりつけへ受診を勧めて頂きたいとのことでした。さらに、園内・学校内での感染拡大防止に努め、保護者にはアタマジラミ症の発生の情報とアタマジラミ症に関する正しい知識を伝達して頂きたいとのことでした。

(平成22年6月24日)